なぜ日本人は英語が苦手なのか:日本の独特な環境

なぜ日本人は英語が苦手なのか

【文化的な背景】
日本にはかつて東北から北海道にかけて住んでいたアイヌ語を話すアイヌ民族、沖縄地方には琉球王国時代に独自の言語を話していた人々が住んでいました。しかし現在では日本は同じ民族、同じ言語を使う単一民族、単一言語の国家であると言われています。
このような国は中国、韓国、北朝鮮といった東アジアの一部の国やチェコ、ポルトガルといったヨーロッパの一部の国だけであり世界的にも珍しい存在です。
外部との交流が難しい島国であったという物理的な要因はあるかと思いますが同じ島国のインドネシアやフィリピンなどには多様な民族、言語が存在します。
これらの国々は古くから東西南北の人的交流が盛んでありその中継地にもなってきた歴史があります。日本においては文化的な背景以外にもその歴史的な背景も考察する必要があります。

【歴史的な背景】
日本は江戸時代に鎖国をしていた歴史があります。当時の政権(江戸幕府)はキリスト教の伝播や外国勢力の流入を敬遠していたため長らく外国との交流は途絶えていました。
一方、諸外国は常に外敵との戦いであり植民地にされたり植民地にしたりして常に様々な言語や文化が混在してきた歴史的背景があります。その反面、日本は第二次世界大戦後の米軍占領時代を除けば常に独立を保ち文化、言語には一貫性があります。
さらに日本人自身が移民となり旧満州や北米、南米に移民したことはあっても移民を積極的に受け入れてきた歴史はありません。その結果、日本においては日本人以外の民族(在日韓国人・朝鮮人は除く)はほとんど存在していません。

【言語学的な背景】
日本語と英語には言語学的に大きな違いがあります。それは構文の違いです。
英語は【主語+動詞+目的語】となるのですが一方で日本語は【主語+目的語+動詞】となるのが一般的です。

日本語:私は野球をします。
英 語:I play baseball.

主 語:私( I )) → 見分け方:(~は ~が ~も)となる言葉です。
目的語:野球を(baseball) → 見分け方:(~を ~に)となる言葉です。 
動 詞:します。(play) → 見分け方:(~する ~します ~した)となる言葉です。

また日本語は主語がなくても会話が成立します。一方で英語は主語がないと成立しません。こういった違いを理解しないで英語を学習していくと実際の会話でちぐはぐなやりとりになってしまいます。この言語学的な背景は日本人が英語を学習するときの大きな障壁になっています。

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