英語力向上のために海外ドラマや映画を視聴された方は多いかと思います。
実際、私も今まで多くの海外ドラマや映画を視聴してきましたが正直言って微妙でした。その大きな理由として字幕を読みながら英語を聞いて学習しても実際の英会話の場面ではまったく異なる脳機能が働いているからです。
そもそも外国人と英会話をするときに字幕などはありませんよね。理由は簡単です。会話とは耳から入った情報を脳内の言語中枢で理解してそして自分の考えを言語化して発声します。そのときに機能する脳機能は「話す」「聞く」技能だけです。
字幕を見ながら英語を聞く行為は「読む」「聞く」技能を伸ばす練習であって「話す」「聞く」技能を鍛えることではないのです。
では海外ドラマや洋画を視聴することは意味がないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。以前の記事で紹介した「歌詞活用法」や「名言活用法」と同じ脳機能の仕組みを利用すれば海外ドラマや洋画は素晴らしい教材に生まれかわります。それは脳機能のエピソード記憶の特徴を利用します。エピソード記憶とは記憶を紐づける出来事や感情、感動、共感といった心の動きなどを利用した記憶法です。そしてこの感動や共感といった心の動きを利用する方法が「海外ドラマ・映画活用法」です。
【海外ドラマ・映画活用法の学習法】
この方法は実際に声を出さなければいけないのでVOD(ビデオ・オン・デマンド)のhulu、U-NEXT、Nexflix、Amazon Prime Videoなどを利用しましょう。すでに加入されている方も多いかと思いますがhuluなどは海外ドラマが豊富なので私はこのhuluをよく利用しています。
最初にすることは自分がなるだけ感情移入できる海外ドラマや映画を選びます。この時、重要なポイントは英語字幕と日本語字幕の設定があるものを条件とします。
次に音声は英語で字幕は日本語で視聴していきましょう。なおすべてのセリフを日本語訳して理解する必要はありません。これをやると苦痛となりドラマや映画の内容も頭に入りません。
最初のころ私は地道に全訳しながら視聴する方法をやって失敗しました。ある一定以上の英語力のある方でなければこのような苦行はするべきではありません。シンプルにドラマや映画の世界を楽しんでいきましょう。そして場面がクライマックスとなったときに一度、止めてそこのシーンのみ英語を日本語訳していきましょう。この時に字幕を英語にして実際にセリフを聞いてみます。そして自分が今度は役になり切ってこのセリフを言ってみましょう。何度もいいますが声に出すことがこの学習法の肝です。聞いて話す、この経験を積み上げていくことで自然とセリフが聞き取れるようになります。ドラマや映画はネイティブの実際の会話なのでスラングや短縮した言い回し、早口であったりして非常に聞き取りにくいです。でもこれが現実です。実際の会話はこういったやりとりで構成されているのでこのテンポになれないといつまでたっても英語力は向上しません。そしてクライマックスなシーンに限ってやることにも意義があります。感動、感激、共感といった心の動きがあるときには脳内の様々な記憶回路が活性化しています。そこで一連のセリフを発声して覚えると心に深く刻み込めるので長期記憶に定着します。これが「海外ドラマ・映画活用法」の記憶増強の仕組みです。
【海外ドラマ・映画活用法の学習法で対応できない場合】
「海外ドラマ・映画活用法」は「話す」「聞く」技能を実際のネイティブの言い回しに慣らすための勉強法です。その他のエピソード記憶学習法を利用することによりさらに効果は高まっていきます。
・エピソード記憶学習法①(語呂合わせ活用法)
・エピソード記憶学習法②(漢字当て字活用法)
・エピソード記憶学習法③(歌詞活用法)
・エピソード記憶学習法④(名言活用法)
・エピソード記憶学習法⑤(海外ドラマ・映画活用法)
・エピソード記憶学習法⑥(RPGゲーム活用法)
・エピソード記憶学習法⑦(第二外国語活用法)
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